パイオニアの同軸型2ウェイスピーカー「S-X33C」です。
2台セット。
主な整備は次のとおりです。
・ コンデンサの交換
・ 配線の引換え
・ コネクターユニットの交換
・ キャビネットの補修
ディバイディングネットワークのコンデンサをすべて交換しています。(写真9枚目右下)
HF回路はパナソニック製とルビコン製のPETフィルムコンデンサに変更。LF回路にはエルナー製音響向け電解コンデンサを採用しています。
静電容量はオリジナルと同じです。
なお、コイル、抵抗器を含め、既存の紙ベースから新製した合板ベースに乗せ換えて組み直してあります。
内部配線を引き換えています。
ツイーター用はJVC製20AWG相当、ウーファー用はオーディオテクニカ製14AWG相当の、それぞれOFCスピーカーケーブルとしています。
背面のコネクターユニットを、バナナプラグに対応するものに換装しています。(写真9枚目左下)
キャビネットの接合部にみられる隙間を、黒のシリコンで埋めています。(写真8枚目)
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キャビネット外観は、一部の面に引っかき傷があります(写真7枚目)。また、角部の剥がれかけた化粧シートを再接着してあります。
前面のグリルネットは、片方が少し歪んでいます。
なお、グリルネットは接着による固定式で、基本的に着脱はできません。
2台のシリアルナンバーは連番ではありません。
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80年代後半のパイオニアより、同軸型ドライバー搭載のパッシブスピーカーです。
バッフル正面はA4サイズとほぼ同等、かつ薄型のキャビネットとしており、壁掛けにもできるコンパクトな外形です。
しかし、アルミダイカストのフレーム、ミッドシップマウント方式による堅牢な固定方法など、仕様としては当時の上級機と引けを取らない豪勢なものとなっています。
重い低音は出ませんが、コアキシャルならではの安定した定位感です。
整備では、劣化した部分の補修とドライバーの清掃が主な内容です。
音質面では、フィルムコンデンサ化により高音の歪み感が低減されています。
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主な定格
・ 2ウェイ1スピーカー/バスレフ型/防磁設計
・ 寸法:184W x 280H x 150D mm
・ 重量:3.5kg
・ インピーダンス:8Ω
・ 再生周波数帯域:60Hz~25kHz
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